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5年ぶりの海神社例大祭。西ノ島が熱く盛り上がった2日間。

7/19(金)、7/20(土)に、海神社例大祭かいじんじゃれいたいさいが行われました。
海神社のある別府地区は、西ノ島の玄関口。
島と本土を結ぶフェリーや、隠岐諸島を周る内航船が発着する港があります。
そんな別府地区が熱気に包まれた2日間。
今回は、島民として初めて参加したお祭りの体験レポートです。

私の島体験記
島根県、隠岐諸島の小さな島「西ノ島」に暮らし始めた私の島体験記。
島暮らしで経験したこと、感じたことをお伝えしています。

別府地区の氏神様「海神社」の2年に一度の例大祭。
コロナの影響により、今年は5年ぶりの開催になりました。

1日目、仕事を終えて家に帰り、18時からシェアメイトと地域の方のご自宅へ。
事前に「良かったら家に来てね」と声をかけてくださった方のご自宅にお邪魔しました。

昔から西ノ島では、お祭りをする集落の方が家で料理をふるまうのが伝統だそう。
「お祭りといえば、屋台のご飯」という印象がある私にとっては、すごく新鮮でした。

机いっぱいに、並ぶご馳走。
初めてお邪魔する家で、図々しくいただいていいものだろうかと思いながらも、ありがたくお腹いっぱいいただきました(笑)

手作りのものや、地元のお店の料理など、どれもすごく美味しかったです。

19時頃、お神輿が出ると聞いたので、みんなで神社の方へ。
神社に着くと、お神輿の前に担ぎ手の男性たちが集まっていて、「チョーヤッサ!」という掛け声が響いていました。

担ぎ手の方たちは、みんなで宴会をしてから神社に向かいます。
中にはすでに酔っている方も、、、(笑)

集まってくる方たちを招き入れるように、掛け声が段々と大きくなっていきます。

今年は5年ぶりの開催ということもあってか、島中から100人ほど担ぎ手が集まりました。
近年は担ぎ手も減ってきて、別府地区の区長さんが各事業所を回って、声をかけているそうです。
人手が足りないので、「別府は還暦まで担ぐ」と言われているんだとか。

普通に歩いたら15分もかからないくらいの距離を2時間ほどかけて行ったり来たりしながら進むお神輿。

担がない人は、お神輿や神楽を見たり、宴会をして楽しみます。

気付けば外は真っ暗に。
担ぎ始めたときと変わらない威勢のいい掛け声で、お神輿が一時的にとどまる御仮屋おかりやの近くまで来ていました。

お神輿が入るのは21:30頃。
その時間に近づくと、お神輿を御仮屋へ納めたい人ともっと担ぎたい人のせめぎ合いが始まります。
「入れよ~」「出せよ~」と聞こえてきて、見物客はドキドキしながら見守ります。

お神輿の上に乗っている大鳥が外されると、「もう納めよう」という合図。
大鳥を取る人は地区の役員会議の中で決まるそうです。

選ばれる基準は、「みんなをまとめられる人」。

20年間ほどその役を務められた区長さんは、大鳥を取るタイミングはすごく難しいとお話されていました。

大鳥を取った後に、すんなり入れられたら成功、戻されてしまって、またつけ直すことになれば失敗なんだそう。

何度も入れようとしては戻されるのを繰り返したあと、無事に入れることができました。

お神輿を入れ終わったあとは、担ぎ手の方たちも地域の方のご自宅に集まり、深夜まで盛り上がりました。


お祭り2日目。
前日と同じ道を担いで練り歩き、神社に奉納されました。

1日目よりも見物客は少ない印象でしたが、担ぎ手の方たちの掛け声は、最後まで別府地区を盛り上げていました。


現在は担いでお神輿を奉納するようになったこのお祭りですが、2015年までは船にお神輿を乗せて海を渡る船渡御ふなとぎょが特徴だったそうです。

船を3隻つないで台をつくり、お神輿と役付きの方々を乗せていました。

別府区長さんより提供

担ぎ手の方は別の船に乗り、みんなで船を左右に揺らしながら海を渡っていたそうです。
船の中では、バケツにいれた日本酒を柄杓で飲みまわしていたんだとか(笑)

別府区長さんより提供

しかし、安全面への配慮で、2017年から現在の形になりました。

お祭りは西ノ島の島民にとって、楽しみなイベントのひとつ。
どんな形でも、この伝統文化が引き継がれていってほしいなと思いました。