見出し画像

【インタビュー】穏やかな離島で、その人それぞれに寄り添った介護を

「Humans of Nishinoshima」
島に住んでいる人って何してるの?島にはどんな仕事があるの?
このマガジンでは西ノ島で暮らす人にインタビューし、
イメージしづらい離島での暮らしについてお届けしています。

今回のインタビューは伊藤さん。
R5年度大人の島留学生として来島し、西ノ島町社会福祉協議会(以下、社協)で働いています!


東京から西ノ島へ。環境を変えて新たなチャレンジ

伊藤です。東京の田舎から来ました(笑)
島に来る前は東京の有料老人ホームで3年ほど介護士をしていました。
美味しいものを食べるのが好きです。
人見知りなんですけど、島に来てからそれが少し改善されたかなあと思っています。

福祉に興味を持ったのは、昔から高齢の方と関わるのが好きで。
元々おばあちゃんっ子だったからかな。
小さい頃は一緒におはじきとかお手玉をして遊んでいました。

島に来たのは、仕事も落ち着いて、介護の資格も取れたので
一度若いうちに心機一転、違う場所で挑戦してみたいなと思ったから
昔から島に住んでみたいと思っていて、色々と調べているうちに島留学を見つけて、参加を決めました。
島はやっぱり東京とは違って、自然が多いところがいいなと思っています。

ヤギとふれあい中

事業所として社協を選んだのは、色々な人と関わりたいという気持ちがあったからです。
今までのキャリアを少しでも生かして島のためになることができればいいなと思っていて、コーディネーターの方とも相談して決めました。
最初は社会福祉協議会という名前も知りませんでした…!

社協では主に高齢者福祉関係の業務をしています。
事務作業をしたり、最近では訪問介護でお話をしたり、買物や調理・お風呂の手助けなどの生活介助をしています。

週に2回は社協が運営している、本郷という小規模多機能型居宅介護事業所で働いています。
本郷は利用者さんが家から通ってくるという形です。
訪問介護は午前・午後にそれぞれ2、3件ほど回っています。

あと定時後に、西ノ島福祉会が運営しているみゆき荘さんと和光苑さんでアルバイトをしています。
島の福祉全体を知ることができる感じがあるのでいいですね。


利用者さん一人ひとりに寄り添った福祉を

仕事のやりがいとしては、やっぱり色々な方と関われることと、
自分が住んでいる地域や島のことをよく知ることができるところですね。
あとは「ありがとう」「助かる」って言ってもらえることも嬉しいです。

利用者さんと時々長めにお話するんですけど、「今日初めて話したよ」「話を聞いてもらえて嬉しい」「あなたが来るの待ってたよ」って言っていただけることもあって。
もっと寄り添っていきたいなって感じました。

大変なことは…自分的にはなくて。
強いて言うなら自分の手際がわるくて効率よく動けないことかな。

島の利用者さんは自然体で元気な方が多い気がします。
自分のルーティンというか、こだわりや自分なりの習慣がある人も多いかもしれないです。
毎日散歩したり、14時になったら体操をする、とか。

島では皆で支え合って生活や仕事をしているのを感じるのと、
その人それぞれに寄り添った介護をできているなと感じます。

東京にいた頃は会社のルールが厳しくて、時間や業務に囚われて、利用者さんに寄り添う時間が少なかったなって島に来てから思いました。
島も人手不足ではあるんだけど、心に余裕をもった介護ができているなって思います。

職場内だと、福祉に携わっている方の雰囲気が良いし、
職員さんの入れ替わりが少ないですね。
長年働いている方が多いから私も安心して働けるし、
声掛けとか介護技術とかが「さすがだな」と思う場面がたくさんあります。

東京の施設と比べると、島の方が働いている方の年齢層が高く、若い人が少ないというのもありますね。
個人的には島で福祉の経験を積んだ方が、将来役に立つんじゃないかなとは思います。
島だと身近に高齢の方が多いし、一緒に働く方もベテランの方が多いし。
都会も何十年後かは島みたいな状況になるんじゃないかなと思うので。

あとは同世代の子たちと福祉ができたら活気も出るだろうしもっと良くなるのかなあって。
年の近い先輩が頑張っているのを見ると自分も頑張ろうって思えるので。

自然体でいられる島での暮らし

今は島留学生の同期とシェアハウスをしているんだけど、楽しいなって思っています。
最初はそれぞれ性格も違うから心配だったんですけど。

最近はごはんの後にお菓子を食べる時間があるんだけど、その時間で仲良くなっている気がしています。
食べ物の好き嫌いとかも意外と合ってるんです。

休日は自然を感じにドライブしたり、寒くなる前は釣りもしていました。
島のカフェに行くこともあれば、家でゆっくりする日もあります。
リアル「どうぶつの森」をしているなあって思います!
最近は柚子を取に行かせてもらいました。

朝市でわたあめを出店

東京だと流行りに乗ってみたりとかしちゃってたけど、西ノ島では気を張らずに自然体でいられるなと思います。
住民の方も優しいし、海も山もあって自然で春夏秋冬を感じられるのが好きです。

基本的に楽しく過ごせているけど、不便なところを挙げるとしたらやっぱり船かな。
船が止まっちゃうと予定も狂うし荷物も届かないし。
冬はなかなか帰省もできていないです。
不便とはちょっと違うけどやっぱり寒いし風も強いよね、東京と比べると。

西ノ島・福祉に興味のある方へ

私は島で福祉に関わる中で、自分にはやっぱり福祉が向いているなと思えたので、これからも少しでも貢献できたらと思います。
実は島にあこがれの職員さんがいるので、その方みたいな介護職員になりたいと思います。

島に来る勇気がなくても、少しでも興味があるなら一歩踏み出してみるのもいいのではないかなと思います。

ちょっとでも福祉に興味があったり、島のリアルを知りたい方、特にしたいことがなくても「人の役に立ちたい」という思いがある方には社協はいいのではないかなと思います。
職員さんも優しいし、雰囲気もいいのでぜひ検討してみてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★社協さんについて更に知りたい方は、
ぜひインスタグラムなども見てみてください。