千葉から離島へ、教育の世界から小売の世界へ。心地が良い西ノ島での暮らし
島の方なら一度は目にしたことがある
海月堂(くらげどう)とかかれたこちらの車。
「あそびとくらし」をテーマにした移動販売のお店です。
ご夫婦でお店を経営されている小山さんは、千葉県からのIターン。
島に移住してもうすぐ7年。最近、3人目のお子さんも生まれ、
最近実店舗もオープンされ、大忙しなお二人です。
今日は、奥様の亜理沙さんにお話しをお聞きしました!
ーーお二人が西ノ島に移住したきっかけを教えてください。
実は最初は、西ノ島に住む予定ではなかったんです(笑)。
お隣の海士町の求人に興味を持ち、そこで働きたいと思って応募しました。働くことは決まったものの、住む家がぎりぎりまで分からなくて。
今思えば、島あるあるですね(笑)。
最終的に、こちらです、と言われた家が西ノ島にあったんです。海士町で働くからには、海士町に住むとばかり思っていたので、驚きでした。
ーーそれは驚きですね。海士町では何のお仕事をしていたのですか?
島前高校で、生物の教師として働いていました。
今はやっていないと思うのだけど、当時は全国募集というのをしていて。
本来は、島根県で働きたかったら県の試験を受けないといけないのですが、当時は、意欲がある人を全国から募集しますという内容でした。
勤務一年目は、生物の教師の立場として。
その後、産休開けのポストでコーディネーターの仕事も経験しました。
ーーなぜ離島で教師をしようと思ったのですか?
もともと、千葉で高校の生物の教師をしていました。
都市部の女子校だったので校舎も綺麗に整備されていて、
生徒達が苔を知らないんですよね。
かといって私も、勉強して知識はあるけど、体験として説明できない事も多く、生物の先生なのにっていうコンプレックスみたいなものがあって・・。
そんな時、生物の勉強会で、
隠岐島前教育魅力化プロジェクトについて知りました。
”20代で移住するなら海士町!”
といわれているくらい、海士町がアツいと言われていて。
でも一人で移住する気はなかったので、瑛司さん(旦那様)も一緒に。
瑛司さんは、東京でプログラマーをしていたので、リモートで仕事もできるし、丁度何かに新しくチャレンジしたいと思っていたらしく。今は隠岐デジタルラボという屋号で、隠岐の仕事を中心にさせてもらっています。
ーー海士町での勤務を経て、西ノ島へ拠点を移したきっかけはありますか?
毎日、西ノ島と海士を船で通勤するようになり、
西ノ島で過ごす時間をもっと増やしたいと思ったんです。
両方いいところがあるんだけど、私にとって海士町は集中して働く場所、
西ノ島はゆったりと暮らしを楽しむ場所、という感じで。
住めば住むほど空気感が心地よくなっていったんです、人も自然も。
なので、移住3年目でこちらの仕事に切り替えました。
西ノ島小学校・中学校で子ども向けの島留学を担当していました。
ーー西ノ島の空気感、どんなところが好きですか?
町全体で子育てをしてくれるところですね。
移住して、長女が生まれて、長男、先月、次女も生まれました。
島では、お腹が大きい時から子育てが始まっているの。
船にのると、「気をつけてね」とか、「性別わかった?」とか
生まれた後も「大きくなったね〜!」とか。
みんなすごく話しかけてくれるんだよね。
東京に行った時に子どもを抱っこしながら電車に乗ってたんだけど、誰も声かけてこないし、誰も私を気にしてないことにびっくりしちゃった(笑)。
昔住んでたころは、これが当たり前だったんだけどね。
ーーその後、海月堂を始めたきっかけを教えてください。
教育に関わるうちに、もっと根っこの部分、幼少期に関わりたいと思ったんです。子どもって、色や数に出会うのが意外と早くて。
それって、日々の暮らしの中で遊びながら出会っていくんです。
「あそびとくらし」をテーマに掲げているのもそんな理由です。
もう一つは、私自身が手芸や服づくりなどが好きで、工房やアトリエを持ってみたくて。そうなるとおしゃべりもしたいから、喫茶店もほしい、そしたら好きな雑貨も置きたいなってどんどん広がっていって(笑)。
お店を始めるにあたり、物件がなかなか見つからなかったので、このアイディアを温めておくくらいなら始めちゃおう!と実験的に始めたのが移動販売でした。(こちらの記事もあわせてご覧ください。)
ーー最後に、最近オープンされた実店舗について教えてください。
先週、念願の実店舗をオープンしました!(2023年春)
場所は、港にも近い、旧黒木小学校です。
子どもが遊びながら学べるスペース
カフェ兼大人が集中できるようなワークスペース
展示会やライブができるようなギャラリースペース、などがあります。
例えば、こちらではライブにお金を払うという文化に馴染みがないのでそれを体験できる場として。ビジネスを始めたい人が最初の一歩を踏み出せる場として。私たちもスペース探しに苦労したから、同じ境遇の人が始めるきっかけ作りの場として。
余白も生まれると思うので、決め切らないほうが面白いかなって思ってます。みんなで一緒に作り上げて変化していく空間にしていきたいですね!
筆者のひとこと
千葉から西ノ島へ
教育の世界から小売の世界へ
ライフシフトされた小山さん一家。
西ノ島の暮らしが心地よく、これからもずっと住み続けたいそう。
念願の店舗がこれからどのようになっていくのか、楽しみですね。