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島唯一の裁縫屋さん-Sewing Hiromi-

浦郷地区の道路沿いに、お洒落な看板が。

島、唯一の裁縫屋さん「Sewing Hiromi(ソーイングひろみ)」があります。

青空にみどりのふちが映えます

みなさんは、裁縫屋さんを利用したことはありますか?

西ノ島町は、日本海に浮かぶ、人口2,600人ほどの小さな島。
その為、本土と比べて洋服を取り扱うお店が限られています。
若い世代はネットサーフィンをしたり、旅行に行った際に服を購入したりする方が多いそう。その一方で、高齢の方は、お気に入りの服をお直しして長く着たり、人から頂いたものを自分用にリメイクする方も多いんだとか。

島の方にとって必要不可欠な「Sewing Hiromi」
本日は、オーナーのひろみさんにお話をお聞きしました。

お話した方:吉谷弘美(よしたにひろみ)さん 西ノ島出身
幼い頃からビーズや塗り絵が好き、中学卒業後専門学校で学ぶ
Sewing Hiromi 店長/今年でお店を営んで30年

「こんにちは〜お邪魔します。」
玄関を開けると大きな観葉植物が目に飛び込んできます。

従姉からの贈り物、大きな観葉植物

観葉植物の下に何やら可愛らしいミニチュアの物が置いてありますね。

ーーひろみさん、これは何ですか?

「可愛いでしょ〜全て貰い物。ミニチュアのソーイングセットだよ。糸は、木に括り付けてあるでしょ?今はほとんどプラスチック製に変わってしまったから、この形は手に入らないの。なかなか珍しいよ。」

丁寧にディスプレイしてあるソーイングセット

正面には、棚に収まりきらない程のたくさんのカラフルな糸たち。

糸は大阪から送られてくるそう

オーナーのひろみさんは、今年でお店をオープンして約30年。
幼い頃からビーズや塗り絵など細かい作業が好きな子どもだったといいます。

地元の中学卒業後、松江の専門学校で裁縫を学び、島にUターン。
島に戻ってからは、大好きな手芸をしたり、子ども服を手作りしながらのんびり暮らしていたそうです。本人は遊んでいただけと言っていましたが(笑)。

そんな今日も、ミシンで何かをお直ししていますね。
ちょっとお仕事の様子を覗いてみましょう!

いつもの仕事風景

ーーひろみさん、今日は何をお直ししているんですか?

今日は少し難しいのを直しているよ〜。礼服なの。生地が薄いからね。こういった、生地がつるつるしていて特殊なものは少し時間がかかるの。

ーーわーすごい、ミシン難しそうですね〜。

ミシン、とっても楽しいよ。
当たり前だけど、ミシンで作業している時間が一番好き。
カタカタと音がするのが好きだな〜、それに好きな音楽をかけながらやるともう最高。

ーーちなみに、ひろみさんのお気に入りの曲って何ですか?

1番のお気に入りの曲は迷うなぁ♬
いっぱいあります。
今はKiroroの曲。気に入ったら、ずっと同じ曲を聴くの(笑)。
好きな音楽を聴いてテンションを上げてお仕事するよ(笑)。

愛用のミシン

ーー普段はお客さんからどんなオーダーがあるんですか?

色々だけど、ズボンの丈詰めとか、幅を狭くしてほしい、逆に広くしてほしいとかが多いかな。気に入ったものを長く使う方も多いし、もらったものをリメイクして着続けたい方も多いからね。

あとは、3月4月の入学シーズンは忙しいよ。みんな制服を着るからね。

ズボンの幅を変えているようです

ーーお直しして長く着るって素敵な考えですね〜。ところで、奥にディスプレイしてあるワンピース、可愛いですね。

可愛いでしょ?ずーっと前に知り合いからもらったやつ。でも私には似合わないから・・・子ども服にリメイクしようと思って。

素敵なドッド柄のワンピース

ーーお直しだけじゃなく、服をつくることもあるんですね!

たまーにね、今はほとんど作ってないけど、昔はよく作ってたよ。特に子ども服を作るのが好き!でも服作りは楽しいけど型取りから全てやるからなかなか大変なの(笑)。仕立物を頼まれると直しものが出来なくなるから、今は、お客様からの仕立物はお断りしてます。

膝掛けからリメイクした子ども用のベスト
こちらもリメイクした男性用のスタンドカラーシャツ

ーーひろみさんにとって、お仕事のやりがいってなんですか?

うーん、これが私の日常だから難しいなー。ちょっと考えさせてね。

難しいお直しが自分なりに綺麗に出来たときは今でも嬉しいし気持ちがいい!達成感もあるね。でも私の場合どんな難しいものでも直すのが仕事だし、それが当たり前だから、褒めてくれる人はいないんだけどね(笑)。
そういう時は自分で自分をおもいっきり褒めてるよ(笑)

ーーそんな島での日常、どんな時に幸せを感じますか?

仕事に行くまでに、町で会う人みんなが声をかけてくれるところ。
朝は「今からかね?」と会話が始まって、
帰りは「終わったかね?」とまた会話が始まるの(笑)。
「ちゃんとご飯食べてるかー?」って聞いてもらえる時もある(笑)。
こちらの人は、年齢関係なく、手を振ってくれたり、話しかけてくれたり、いつもありがたいな〜と思ってるよ。

ーー逆に少し嫌だなと思うことはありますか?

うーん、多分あるんだけど、あまり気にしないようにしてる(笑)。
狭い島では気にしないことが一番。だからすぐに思いつかない(笑)。

ーーたしかに島の人ってみなさん明るいですよね。いい意味で楽観的というか!お休みの日は何をして過ごしているんですか?

掃除をしたり、お菓子を作ったり、あとは少しずつ断捨離をしています。
あと、もやもやした時はお墓参りに行ったりもするよ。
お墓参りをしたら気持ちがスッキリして、また頑張ろう!と思えるの。

ひろみさんがよく行く浦郷地区のお墓

ーー最後に、これから島でやっていきたいことがあれば教えてください。

カバンとか小物作りをして売ってみたり、プレゼントしたり…なかなか時間がなくて出来ないけど、少しずつ縫いたいなぁと思ってるとこです。私は、皆さんに支えられて、ここまでやってこられたこと、本当に感謝してます♪
本当島の環境はありがたいよね〜。

筆者のひとこと

好きなことを仕事にしているひろみさん。
特別に聞こえますが、それはひろみさんにとっての日常。
仕事に行くまでの近所の人とのお話しや、休日の過ごし方、よく行くお墓、最近はまっている歌など、ゆったりとした日常を覗くことができました。
みなさんもお店に遊びにいってみて下さいね。


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