離島でお土産開発を目指す大学生が、岩ガキ養殖のパイオニアへインタビュー!
インタビューに至った背景
こんにちは、note管理人の露木です。
いきなりですが皆さん、「岩ガキ」を食べたことはありますか?
秋~冬が旬の真ガキとは異なり、春~夏が旬となります。
ぷりっとした食感と、濃厚な味わいが特徴です。
そんな岩ガキは、隠岐地域、そして西ノ島の名産なのです!
※隠岐の岩ガキについてはこちらもチェックしてみてください!
(「隠岐のいわがきブランド化推進協議会」のHPです)
そんな岩ガキを使用したお土産品を作ろうとしているのが
大学生の西野さん!
彼女は「大人の島留学生」として、2023年4月から西ノ島に住み
役場の産業振興課で働いてきました。
(株)日本海隠岐活魚倶楽部さんでの業務に従事しながら、
西ノ島の海産物を使った、缶詰のお土産品の開発を進めています。
いま進めているのは、岩ガキを使った商品。
より西ノ島の岩ガキの美味しさや、西ノ島らしさが伝わるような
商品にしたいと試行錯誤を重ねています。
そして今回、西野さんが味付けや販促方法、パッケージなどのヒントを得るために、岩ガキの養殖に日本で初めて成功した、なかがみ養殖場の
中上光さんにお話をお伺いすることにしました。
「島留学生」同期である西野さんのお土産品開発のプロセスを覗いてみたい!と思い、インタビューに同行させていただきました。
※中上さんについては、こちらのインタビュー
(いかあ屋さんが実施されてものです)も見てみてください!
インタビュー本編
西野:中上さんのお仕事の年間の流れを教えてください。
中上さん:1月中は前年の12月までに終わらなかった
2年目・3年目の稚貝を短い管から長い管に通し替えて
分散させます。まあ手入れですね。
2月の中頃くらいから、出荷前検査が始まるし
ストック分を揚げてばらしておく作業があって。
そして出荷が始まって、7月中頃まで出荷が続きます。
(※岩ガキはホタテ貝に付着させた状態で海に吊るして育てます。
長い管に差し替えるのは、ホタテ貝同士の間隔を空け、
それぞれの個体に餌が届くようにするためです。)
西野:なかがみ養殖場の岩ガキと、他の産地の岩ガキの違うところは何ですか?
中上さん:各地の岩ガキを全て食べ比べたわけではないですが、
西ノ島は離島かつ、周りに多くの人が住んでいるような大きな河川がありません。だから工業廃水とかが出ませんよね。
山にちゃんと木があって、冬に落葉してそれが積み重なって、
順調に雨や雪が降って、海へいい養分が流れ込んで、
いい植物プランクトンができると。
ですので自然のいい餌が供給されており、その良質な餌を食べているので、美味しい岩ガキになっていると思います。
西野:中上さんは森林保全の活動も行っているとのことですが
中上さん:自分の山でミツバチも飼っていて、蜜源になる木を何百本と植えています。
木を植えるという作業は色々なところに繋がっていますね。
降水量が少ないような年は、岩ガキの実入りもあまり良くなくて
蜂蜜もあまり取れなかったりするんです。
自然はそのように繋がっているんだと思います。
僕ら(岩ガキの生産者さん)はどれくらい雨や雪が降ったかっていうのは
数年間分は記憶の中に残っています。
ほとんどの人は覚えていないと思いますが、
僕らにとっては一番重要なところだけんね。
農業や環境問題にも興味があるんです。自分で畑もやっていて、
去年からは自然農法にも興味を持っています。
YouTubeなどで勉強しながらやっていて、今は畝をたてるところまで進んでいます。
西野:岩ガキ、養蜂に畑とお忙しいですね…!
中上さん:大変ですよ。でも頭の中で考えているだけでは実現しませんからね。
実際に体を動かさないと。
やってみて上手くいけば人が見てくれますから、必ず広がります。
西野:岩ガキの話に戻るのですが、岩ガキの缶詰を作るのに試行錯誤しているところなので、ちょっと苦戦しています…。
中上さん:岩ガキがあります、美味しいです。だけでは話にならないよね。
例えばすだちとかとセットにすれば、
山と海の広がりが頭の中に浮かぶでしょう。
そういった食文化も含めた広がりがあるといいと思います。
観光客向けに留まらず、業務用などを考えてもいいかもしれませんね。
インタビューを終えて
西野さんより
中上さんのインタビューを通して、西ノ島の自然の豊かさがあるからこそ、ミルクがたっぷり入った濃厚でプリプリの美味しい岩ガキができることを学びました。ーー山に木々が生い茂り、その落ち葉などが分解された養分が入り江に流れ込み、プランクトンが繁殖するーー山の恵みが海に繋がり、それが美味しい岩ガキを育てる。西ノ島だからこそできる岩ガキであることを感じました。
また養蜂、植林、自然農法、岩牡蠣養殖と様々なことに取り組み、常に自然について観察し、分析し、実行に移す中上さん姿勢から、私もお土産品開発について、試行錯誤中ですが、トライ&エラーを繰り返しながら、西ノ島の牡蠣のおいしさ、自然の豊かさが食べた人に伝わるような商品を完成させたいと強く思いました。
筆者より
普段から西野さんとは話をする仲で、
お土産開発を目指していることも
最近は少し悩んでいる部分があることも聞いていました。
中上さんのお話は独自の視点があり
なかでも「業務用」という視点は面白いなと感じました。
今回のインタビューを通じて、西野さんがお土産開発で
突破口を見つけてほしいなと思いました。
お読みいただきありがとうございました!